2月22日“ネコの日”に全国公開された映画、『ねことじいちゃん』を観てきた。イラストレーター・ねこまきの人気漫画を原作に、動物写真、とりわけネコの写真や映像で有名な岩合光昭の初監督作品。
2年前に妻に先立たれ、島でひとり暮らしをする大吉役に立川志の輔。飼いネコのタマ役にベーコンというダブル主演?
脇を固める俳優陣は、田中裕子、小林薫、柴咲コウ、柄本佑など、実力派ぞろい。しかし、なんといってもこの映画での名演が光ったのは、100匹以上のオーディションから抜擢されたタマ役のベーコンをはじめとした、三十数匹のネコたちだった。
このネコたちは、プロダクションに所属する、れっきとしたプロ。それを、ネコ撮影のプロ、岩合光昭が撮る。本当に自然で、愛嬌たっぷりなネコたちの姿。この映画の中では、特にその存在感が際立って見られた。
ゆっくりとした島の時間の中で暮らす人々の、日本中どこにでもあるような日常。そして、そのほとんどのシーンでは、どこかにネコが登場している。まさに、ネコ好きによるネコ好きのための映画。いや、そんなにネコ好きじゃなくっても、充分に癒された。
映画では、島の人々だけでなく、ネコたちのストーリーも描かれている。ただ、ネコ目線の言葉で何か語られているわけではないのに、それを分かってしまうのが、動物写真家・岩合光昭ならではといったところだろう。
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