富山県美術館で開催されている企画展「高野山金剛峯寺 襖絵完成記念 千住博展」に行ってきた。ニューヨークを拠点にし、国際的に活躍をしている日本画家の千住博。滝を描いたウォーターフォールシリーズが有名で、いろいろな媒体で目にしたことがある人も多いと思う。
2015年には、高野山金剛峯寺が開創1200年を迎えたことを記念して、千住博が襖絵と床の間からなる障壁画を奉納することが決定した。その作品が、今年の3月にとうとう完成。本展では、千住博が画業40余年の集大成と位置付け、高野山金剛峯寺に奉納する渾身の障壁画が、世界に先駆けて初公開。また、これまで手掛けた主要作品も多数展示されている。
展示構成は全3章。第1章はメインとなる「高野山金剛峯寺奉納襖絵」。約3年かけて制作された『断崖図』と『瀧図』は、44面、あわせて幅40メートルを超す大作。目の前で見つめていると、あまりの壮大さに、枠を飛び出して辺り一面に絵の世界が広がったような感覚になる。
第2章の「龍神」には、軽井沢千住博美術館蔵の『龍神Ⅰ、Ⅱ』が。蛍光塗料で描かれた滝は、ブラックライトで照らされることによって流れる滝が青白く発光。こちらは滝の持つ神秘性、神々しさが感じられる作品。
第3章の「千住博の歩み」には、1980年から2018年までの主な作品が展示。もちろん、ウォーターフォールをはじめとした有名どころの作品が揃っている。さまざまな題材を元に、いろいろな画材や技法で、日本画の新しい可能性を模索してた千住博・約40年の歩みを、ぎゅっと凝縮。千住博の世界観の一片に触れることができる。
いやぁ、これだけの作品を、しかも本邦初公開の作品まで、富山に居ながら見ることができるというのはありがたい。美術館が新しくなったおかげかな。
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