
湘南の海岸沿いを各駅停車でゆっくり走る江ノ電。古い街並みや季節の花、きらめく海が車窓を通り過ぎていく……。ひたむきにビーチバレーに打ち込む、女子高生の涙と決意が胸を打つ「夢を、ほおばっていた」。亡き父の想いを胸に、実直に絵を描き続ける女性に訪れた奇跡を描く「海風のアトリエ」など5篇を収録。潮風の中で深呼吸すれば、素顔の自分に再会できる。自分らしい新たな一歩を踏み出す人々を描く、心震える短編集。
喜多嶋隆『江ノ電を待ちながら』(KADOKAWA、2026年)、カバー
喜多嶋隆の新刊、『江ノ電を待ちながら』が角川文庫より。江ノ電沿線を舞台にした、潮風を感じられるような、爽やかで少し切ない5篇からなる短編集。
以前に喜多嶋隆ファンクラブのパーティーへ行った際、せっかくの機会だからと、葉山をはじめ湘南一帯をいろいろと散策してきた。この短編集では、その時に目にして、空気を感じてきた場所がいろいろと出てきたので、読んでいると目の前にその風景が広がるようだった。
そして今作でも、毎日を自分らしく一生懸命に生きている登場人物たちに励まされるようで、読了後の心地よさは、相変わらずな喜多嶋作品だった。
そういえば、湘南へはずいぶんと行っていない。そもそも、旅行にすら行っていないか。また行ける機会があったら、喜多嶋作品の舞台をいろいろとまわってみたいな。
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