富山市の富山県美術館で開催されている企画展「倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙」に行ってきた。
世界的なインテリアデザイナーで、没後30年以上を経た今なお国内外で高い評価を受けている倉俣史朗の回顧展。アクリルやガラス、アルミニウム、スチールメッシュなど、それまであまり用いられなかった素材を使用して家具やインテリアをデザインし、その独創性は世界のデザイン界に衝撃を与え「クラマタ・ショック」という言葉も生まれた。
会場では、デザイナーとして独立する以前の20代の頃から晩年までの作品が年代順に、倉俣自身の言葉とともに展示されていた。倉俣のデザインといえば、個人的にはやはり1988年に発表された『ミス・ブランチ』が一番好きだ。造花の薔薇をアクリルに閉じ込めた美しい椅子で、何度も観ているのに、今回もたっぷりと堪能してきた。
また、会場最後のコーナーには、図面やイメージスケッチのほか、夢日記といったモノなどの展示もあり、作品制作の背景や思考の断片などを伺えるようでとても興味深かく、このコーナーでもつい長居してしまった。
倉俣史朗が亡くなったのは56歳。本当に若いよなぁ。もっと生きていたら、どんな独創的な作品を残したのだろう。
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