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iPhoneとiPadのOSを17にアップデートすると、Webサイトのヒラギノ角ゴシックが太くなった

iPhoneとiPadのOSを17.0へアップデート後、本文などの文字が太くなっているWebサイトがあった。iOSとiPadOS、そしてmacOSの現在の標準書体は「ヒラギノ角ゴシック」だが、どうやらOSアップデートでの組み込まれているウエイトの追加が影響している模様。

サイト制作時に、CSSのフォント指定で「font-family: sans-serif;」もしくは「font-family: "Hiragino Sans";」を優先にすると、iOS、iPadOS、macOSだとヒラギノ角ゴシックで表示される。太くなったのは、この指定がされているサイトをiPhoneとiPadで見た場合だ。

まずmacOSの場合。ヒラギノ角ゴシックはW0からW9まで10ウエイトが組み込まれているため、「font-weight: normal;」はW4、「font-weight: bold;」はW7と、CSSの仕様通りの表示となる。「font-weight: 100;」から「font-weight: 900;」までの数値指定にすると、それぞれ9段階のウエイトで表示されるが、100でW0、200でW1となるあたりは謎仕様。

ちなみに、ヒラギノ角ゴシック以前の標準書体だった「ヒラギノ角ゴ ProN」の場合は、W3とW6しか組み込まれていないため、2段階のウエイトでそれぞれ代替表示される。

そして肝心のiOSとiPadOSの場合。16.xまでのヒラギノ角ゴシックはW3、W6、W7の3ウエイトが組み込まれていたので、「font-weight: normal;」はW3で代替表示、「font-weight: bold;」はW7で表示されていた。それが17.0からは、W3、W5、W6、W7、W8の5ウエイトが組み込まれ、「font-weight: normal;」が代替優先度の高いW5での表示となった。そのため、16.xまでと比べて本文などの文字が太くなった訳だ。

iOSとiPadOSの17.0でWebサイトの文字が太くなったのは、CSSの仕様に添った代替表示でOSのバグでも何でもないのだが、これまでと違うために何だか太いと違和感を持つ人も多いのだろう。あえてネガティブな理由を挙げるとすれば組み込みウエイトの選択ミスだろうか。

じゃあサイト制作側はどうすればいいのかという話だが、「font-weight: normal;」が少し太くてもいいのなら現状で問題ないし、細い方がいいのなら「font-family: "Hiragino Kaku Gothic ProN";」を優先指定し、旧書体のヒラギノ角ゴ ProNでの表示にするといい。ただしその場合は、normalbold指定ともに仕様より少し細くなってしまう。ちなみに本サイトは前者で。

一番いいのは、AppleがiOSとiPadOSにヒラギノ角ゴシック W4も追加してくれることなのだが、なかなか悩ましいところだね。

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