金沢の国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)で開催されている特別展「国立工芸館石川移転開館記念展 工の芸術―素材・わざ・風土」に行ってきた。
皇居の隣にあった東京国立近代美術館工芸館が、今年の10月に金沢へ移転し、「国立工芸館」として開館した。ちょうど開館日に金沢にいたのだが、コロナ禍のためにオンラインによる事前予約・定員制だったので断念。今回やっと行くことができた。
現在開催されている開館記念展では、工芸の「素材・わざ・風土」に着目した、近代日本工芸の名作約130点が、全3章構成で展示されている。
第1章は、工芸作品独特の名前に着目した「素材とわざの因数分解」。第2章の「『自然』のイメージを更新する」では、作品に取り入れられた自然の捉え方の移り変わりを。そして、第3章の「風土―場所ともの」では、工芸家たちと“風土”の関係を、さまざまな土地ゆかりの人と作品で見せていた。
有名どころの工芸作家の作品がズラリ。重要文化財などもあり、見応え充分の展覧会。国立工芸館には、東京から数多くの作品が移転されているそうなので、これからも貴重な作品を目にすることができそうだ。
収蔵作品と同様、注目に値するのがその建物。国の登録有形文化財に登録されている、旧陸軍施設「旧陸軍第九師団司令部庁舎」と「旧陸軍金沢偕行社」の2つの建物を移築し、美術館として活用されている。美術工芸だけでなく、建築物好きの人も必見。
日本で唯一の、国立で工芸を専門とする美術館。しかも、日本海側初の国立美術館。いやぁ、近くに来てくれてほんとうにありがたい。これからも度々行くことになりそうだ。
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