2020年になりました。新しい年が素晴らしい一年になりますよう、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
今年は子年。ネズミといえば、世界的に有名なのは某夢の国にいるネズミだが、日本には昔から「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉がある。こちらは、あまり一般的ではないのかな。
庶民の贅沢を良しとしない時代の日本。着物の色や柄などにも派手なモノを使えなかった。しかし、人々は茶色や鼠色、藍色といった限られた色の中で、試行錯誤しながら微妙な違いの色を作り出し、自分ならではのお洒落を楽しんでいたそうだ。
そういう時代に生まれた「四十八茶百鼠」という言葉。四十八や百はそのままの数を表しているのではなく、たくさんという意味。そんな洒落た言葉や、さまざまな色調違いの色に付けたピッタリの色名など、日本人ならではの美意識や粋、洒落といったモノは、今の時代、そしてこれからの時代に、引き継いでいかなければならない大事なモノなのかもしれない。
今年の年賀状は、そんな「四十八茶百鼠」の鼠色の中からいくつかを使ってデザインしてみた。個人的には利休鼠が好きで、よく使ってきたなぁ。
さて、今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催で、多くの外国人が日本へやってくる。いろいろな競技を楽しむとともに、四十八茶百鼠ではないけれど、日本独特な良さというモノも楽しんで、日本のことを少しでも好きになってくれればいいなと思う。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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