ミュゼふくおかカメラ館で開催されている、「市橋織江写真展 TOWN」に行ってきた。12月に発売される、6年ぶりの新作写真集『TOWN』から、約130点の作品が展示されている。
広告や雑誌などの写真のほか、映画やCFといった映像作品も手掛けるなど、マルチな活動をしている写真家・市橋織江。フィルムで撮られた写真ならではの、特徴的な優しい色合いの作品は、いわゆるカメラ女子といわれる層での人気も高い。
ただ、個人的に、彼女の作品で好きなところは、その特徴的な色合いというよりも、風景や被写体が存在する空間の、ほんの一瞬を切り取ったような、特別ではない、何げない時間を写し取ったようなところが好きだ。
彼女のこれまで作品は、マミヤの中判カメラで撮影されていたようだが、新しい写真集『TOWN』は、ライカの35mm判カメラで撮影されている。当然、映し出される画の雰囲気もこれまでと違う感じはするが、彼女の視点で切り取られた一瞬、光や空気感を写し取ったような写真という部分は変わらない。やはり、写真は“機材”ではなく“撮る人”なんだなぁ。
写真展の初日だったこの日は、本人によるトークイベントもあった。これまでの写真や映画の作品について、チェコのプラハで撮影された今回の作品のこと、フィルム撮影ついてのこだわりなど、いろいろな話を聞くことができた。
今使っているカメラはデジタルなので、フィルムのような画の写真というのは難しいかもしれないが、彼女のように、空気感が感じられるようなスナップ写真が撮れるようになるといいなぁ。
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