群ようこの『ぎっちょんちょん』、新潮文庫版を読んだ。群ようこの作品は、映画のために書き下ろした小説『かもめ食堂』を読んで以来。
主人公は、夫と別れてから、いまいち仕事に身が入らないウエディングプランナーのエリコ。バツイチ、子持ち。ふと耳にした小唄がきっかけで、お師匠さんについて三味線を習う。次第に三味線にはまっていくエリコは、いつしか花柳界にあこがれを抱くようになり、芸者として身を立てることを夢見るように。遅咲きの夢はかなうのか?
離婚し、高校生の子供を抱え、生活が一転しながらも、三味線という芸事に生き甲斐をみいだし、日々の苦労の中にも幸せをみつけて、新たな人生を歩み出す。そんなエリコの姿から、元気を分けてもらえる物語。
子供の頃、近所の家から、三味線の音が聞こえたりしていたが、当時はあまり興味が持てなかった。その後も、友人が持っていたりした、ギターやベース、ドラムやサックスなど、ちょっといいなと思ったりはしたが、結局、音楽の授業止まりで、楽器というものに手を出してこなかった。今さらながら、何かしておけば良かったなと思う。
しかし、楽器に限らず、なんでも新しいことに挑戦するには、遅いなんてことはないんだと、この小説を読よんで改めて気付かされ、そして、すこし勇気が湧いてきた。
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