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蜜蜂と遠雷 恩田陸

幻冬舎から一昨年に刊行された、恩田陸の『蜜蜂と遠雷』を読んだ。第156回直木三十五賞と、第14回本屋大賞をダブル受賞した作品。当時話題になり、面白そうな題材だったので気にはなっていたのだが、これまで未読だったので、今さらながら購入。

約7年もの間連載された大長編。単行本も2段組で500ページ超。ページを開いた途端に、これは読みごたえがありそうだなと。それでも読み進めていくと、作品のテンポの良さと魅力的な内容に引き込まれ、夢中になって読了してしまった。

舞台は、3年ごとに開催されている芳ヶ江国際ピアノコンクール。音大出身だが、今は楽器店勤務のサラリーマン・高島明石。優勝候補と目される、名門音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール。天才少女としてデビューもしたが、母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜。そして、養蜂家の父とともに各地を転々とし、自宅にピアノを持たないながらも、今は亡き世界的音楽家のユウジ・フォン=ホフマンより、天から我々への『ギフト』だと推薦された少年・風間塵。第1次から3次予選、そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか? そして、ホフマンの言う『ギフト』の意味とは?

コンクールを舞台に、軸となる4人をはじめとする、多くのピアニストたちが繰り広げる競争を、コンテスタントだけでなく、審査員や調律師、友人たちなど、さまざまな視点から描いている。

本作は、演奏時の描写が特徴的で綺麗だ。ピアノの演奏を文章だけで伝えるため、さまざまな比喩的表現で、読者に音楽を聞かせようとしている。このあたりは、読んでいる時に、なんとなくアニメ的な表現のようにも感じられた。

そして、読み終えた後には、同じくピアノコンクールを扱った漫画、一色まことの『ピアノの森』を、また読みたくなってしまった。というか、もう読んでいる。こちらのクライマックスは、5年に一度ワルシャワで開催されている、ショパン国際ピアノコンクールだが、主人公・一ノ瀬海の小学生の時代から17歳までが描かれている。

『蜜蜂と遠雷』も面白かったけれど、『ピアノの森』もやっぱりいいなぁ。ピアノコンクールを題材にした小説と漫画。どちらも面白い。

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