君はジャスミン

君はジャスミン

喜多嶋隆の新刊、『君はジャスミン』が角川文庫より。タイトルに「ジャスミン」とあるが、花ではなく香りのほうで、今作は、さまざまな「香り」をモチーフにした、4本の短編集。

また、それぞれの物語の舞台は、湘南、ニューヨーク、シンガポール、ニューカレドニアと、最初の湘南以外、喜多嶋作品ではめずらしい場所が舞台となっている。

過去の記憶を思い出す、きっかけになることがある「香り」。もちろん、化粧品や香水といった、フレグランスの香りだけでなく、食べ物などのフレーバーの匂いなど、いろいろな香りと匂いでよみがえる思い出。

あらためて考えてみると、たしかに人生のさまざまな場面と、何かしらの香りが結びついていることが多い。今作の『君はジャスミン』は、そんな、ほろ苦かったり、甘酸っぱかったりした、〈人生の断片〉を思い起こさせるような作品だ。

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