平成が始まった1989年の12月に季刊誌として創刊された『MdN』が、平成が終わる2019年の4月号をもって休刊。今後はWebメディアとして展開されていくようだ。
これまで読んでいた、デザイン、DTPやWeb、Mac系などの雑誌が次々と休刊していく中、残り続けていた数少ない雑誌の一つだったのに。特に『MdN』は創刊号から読み続けていたので、やはり休刊は少し寂しい。
DTPの黎明期。業界では、我先にと高価なMacintoshとLaserWriter II NTX-Jを導入し、誰もがそれを活用するためのノウハウを欲していた。まだネットで情報を得ることもできない時代。そこへ、「Macintosh designers Network」の頭文字をとった雑誌名の『MdN』が創刊される。紙面には、誰もが知りたかった情報が詰まっていた。
今でこそ、デザインとグラフィックの総合情報誌として、さまざまな分野の情報が掲載されていたけれど、当時のデザイン・編集の最先端といえばMac。表紙のロゴ下にあった「Macintosh designers Network」の表記も、創刊から2001年3月号まで続いていた。
しかし、「Macintosh…」の表記も取れ、昨今ではあまりにも多岐にわたる分野が掲載されており、どうも内容が自分に合わなくなったなぁという感じもあった。ピンポイントに欲しい情報と、その深さ、速さなどは、この業界の進化のスピードから考えると、紙の媒体では限界があるのだろう。やはりこれは仕方がない、時代の流れなのかもしれない。残念だけどね。
クリエイティブ業界では、とにかく読んでいる人が多かった。一時期は、どこのデザイン事務所に行っても『MdN』が置いてあった気がする。創刊号から約29年間、ほんとうにお世話になりました。
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