惨殺された若き資産家の喉には可憐な花が活けられ、その妻は行方をくらました。新聞社には「警察とのゲーム」を仄めかす挑発的なメールが届き、殺人分析班の如月塔子ら警察は怨恨の線で動き出す。しかし犯人の魔の手は警察にも及び、ついに――。猟奇的な劇場型犯罪を緻密な推理で追い詰める人気シリーズ7作目。
麻見和史『蝶の力学 警視庁殺人分析班』(講談社、2017年)、カバー
麻見和史の『蝶の力学 警視庁殺人分析班』、講談社文庫版を読んだ。警視庁捜査一課の刑事・如月塔子が、猟奇的な殺人事件などを、チームによる分析と推理で解決していく、人気の警察ミステリシリーズ。
犯罪現場に残された遺留品や、聞き込みなどを手掛かりに、如月塔子を含む十一係の個性豊かなメンバー・自称“殺人分析班”が、プロファイリングしながら真犯人に迫る、その過程が面白い。
これまでの塔子は、鷹野主任とのコンビで捜査していたけれど、今作では、同じ十一係の尾留川とコンビを組んでいる。いつもと違う感じで、こういう展開もいいね。ほかのメンバーとのパターンも読んでみたいかも。
このシリーズ、講談社ノベルスの新書版は、11作目が今月刊行されている。文庫版は、7作目となる今作の『蝶の力学』まで。文庫版でも早く続きが出ないかな。
ところで、このシリーズの新書版のサブタイトルは「警視庁捜査一課十一係」なのに、文庫版では「警視庁殺人分析班」となっている。何で変えているんだろう。
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