富山市の千石町に「森記念秋水美術館」が開館したので行ってきた。この美術館は、地元で医薬品の製造・販売を手がけるリードケミカル株式会社が収蔵している美術品を公開するための美術館だ。美術館の名称にもなっている「秋水」とは、曇りのない研ぎ澄まされた日本刀を意味する言葉。その名の通り、全国でも有数の日本刀コレクションを蔵する美術館となっている。
当然目当ては、現在開催されている、所蔵名品刀展「秋水の美」。重要文化財に指定されている、正宗や虎徹(虎入道銘)といった名刀や、妖刀といわれた村正、地元越中国で作刀された刀など、日本刀の名品が多数展示されていた。
日本刀の展覧会には過去にも何度か行ったことはあるが、極限まで追求された技の美というか、無駄のない洗練された姿、神秘的な美しさはいつ見ても感動する。照明にも気を使った展示をしているようで、刀の地肌や波紋の美しさもじっくりと観賞できた。
ところで、今までに行った日本刀の展覧会と比べ、今回は若い女性のお客さんが多かった気がする。やはり少し前に流行った、いわゆる“刀剣女子”という方々なのだろうか。名刀を前にして意見を交わす若い女性の姿はなかなか新鮮だ。
そういえば、その娘たちが「せっかく名刀を見に来たのだから、刀工や刀についての説明もあるとよかったな」と言っていた。たしかに、そういうキャプションがあれば、あまり日本刀に詳しくなくても、もっと楽しめるかもしれない。次回からは是非。
この所蔵名品刀展「秋水の美」は、一年間を通じて4回にわたり、展示作品を入れ替えて展示しているそうだ。現在開催されている第Ⅰ期は9月まで。これは第Ⅱ期から第Ⅳ期も見に行かなければ。
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