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生誕百年記念 井上有一

金沢21世紀美術館で開催されていた、書家・井上有一の大回顧展「生誕百年記念 井上有一」。見たいと思いながらもなかなか行けずにいたのだが、ぎりぎり最終日になんとか行くことができた。

戦後の日本現代美術を代表するひとりとして、世界的にも高い評価を得ている現代書家の井上有一。今回の展覧会では、各地の美術館蔵の作品だけでなく個人蔵の作品まで、書かれた時期も初期から晩年まで、200点を越えるさまざまな作品が集められていた。

井上有一の書はとにかく美術的だ。書道の一般的なカテゴリには納まらず、自由に心の中の言葉を、「文字」ではなく「カタチ」として具現化しているように感じられる。書でありながら、絵画的でもあり彫刻的でもある。そんな、型破りで自由な作風であるため、一文字書はまだ読むことができるモノはあるけれど、そのほかの多文字書などは読むことが困難なモノが多い。それでも井上有一の作品の前に立つと惹き付けられてしまう。もしかすると、日本語を読めない外国人が書を見て芸術性を感じるのは、こういう感覚なのかもしれない。

実は、一番見たかったのは群馬県立近代美術館蔵の『噫横川國民學校』という書なのだが、残念ながらそれは2月14日までしか展示していなかったようだ。やっぱりもっと早く見に行けばよかった……。

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