有川浩の『三匹のおっさん』。単行本ではシリーズ化されて続編が出ているが、文春文庫からは、まだこの第一作目だけ。
道場の師範代も務めた剣道の達人、キヨこと清田清一。居酒屋の元亭主で柔道の達人、シゲこと立花重雄。工場を経営し機械いじりの達人で頭脳派、ノリこと有村則夫。かつての悪ガキたちも還暦を迎える歳となったが、「おじいちゃん」と呼ばれることには抵抗があり、まだまだ「おっさん」でいたい。そんな三匹のおっさんが、私設自警団を結成し、町内の悪を斬る──! 痛快“アラ還”活劇小説。
テンポよく転がっていくような小気味よいストーリー。三匹のおっさんだけでなく、孫と娘の高校生コンビが絡むあたりも、変化があって面白い。ある程度先が読める展開だが、ドキドキ、ワクワク、ニヤニヤとしながら、最後まで楽しめた。やっぱり、こういう鉄板モノって好きだな。
名前は知っていたけれど、有川浩の作品を読むのはこれが初めて。名前が浩なので男性だと思っていたら、「ひろし」ではなく「ひろ」で女性なんだね。
面白かったので続編も読みたいけれど、文庫化は再来年ごろかな……。
有川 浩『三匹のおっさん』特設サイト- 文藝春秋
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