昨年の夏、神戸ビエンナーレ2011のプレ企画として、神戸市立博物館で開催されていた「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三展」の巡回展が、地元の高岡市美術館でも開催されたので行ってきた。
山本二三といえば、『未来少年コナン』や『天空の城ラピュタ』、『火垂るの墓』や『もののけ姫』など、日本を代表する、多くのアニメーションの背景画家・美術監督として有名だ。
といっても、マニアというわけではないので、その名前を知ったのはごく最近で、確か2006年の『時をかける少女』の時だったはず。背景画家といえば、昔から男鹿和雄が結構好きで、そちらはDVDも持っているんだけどね。
会場内は大勢の人だったが、時間をかけて、ひとつひとつじっくりと鑑賞してきた。
じゃりン子チエの大阪の街は、暖かさの中に、少しホコリっぽさと油っぽさがにじみ出ている。時をかける少女の踏み切りでは、有名な「二三雲」が、いまにもモコモコと動き出しそう。もののけ姫のシシ神の森は、静寂の世界の中に、たくさんの命そのものが描かれているよう。
ほかにも、多くの背景画が展示されており、どれもキャラクターは描かれていないけれど、さまざまな息づかいが感じられるようだ。
その色使いの美しさ、繊細かつ大胆な描写力、表現力は、本当に素晴らしい。これほどの背景画だからこそ、メインとなるキャラクターだけではなく、背景でも、いろいろなことを伝えられるアニメ作品となるのだろう。
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