メディアワークス文庫から刊行されている、三上延のミステリ小説『ビブリア古書堂の事件手帖』。
書店の話題作コーナーなど、目立つところに置かれており、人気作なんだろうなとは思っていた。いわゆるライトノベルに分類されるのかな。あまり読まないジャンルだけどね。
舞台は、鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。古書に関しては、ずば抜けた知識を持つ、店主の篠川栞子。過去の体験から、本が読めなくなってしまった特異な体質の定員、五浦大輔とともに、奇妙な客人が持ち込む、古書にまつわる謎と秘密を紐解いていく。
現在、シリーズで第3巻まで発売されており、大人買いして一気に読んでみた。一応はミステリ小説となっているが、そんなに難解ではなく、ミステリとしては少し疑問符が付くほど、ライトな雰囲気。一冊に数話収録される短編形式になっており、一話あたりのボリュームが少ないからだろうか。逆に小気味よい感じがいいのかも。
ミステリ小説と思わなければ、いろいろな名作古書の情報を絡めたストーリーは、最後まで面白く読めた。作品中に登場するのは、夏目漱石や宮沢賢治などの、実在する古書なので、それらのうんちく話も楽しめる。
舞台となる鎌倉周辺が、個人的に好きな場所というのもあるだろうが、あの辺りの雰囲気が描かれた情景描写も相まって、ビブリア古書堂の世界観は結構好きだ。
冬ごろには第4巻が出るらしいので、次も買うかな。
フィードバック