先日から、本棚の奥でほこりをかぶっていた懐かしい本を、引っ張り出して読んでいた。
少年少女講談社文庫(懐かしの、ふくろうの本)より刊行されていた、ポール・ガリコの小説『ハリスおばさんパリへ行く』。
小学生のころ、親に買ってもらい、大好きで、何度もくり返し読んでいた本だ。……あれっ? この本を買ってもらったのは、妹のほうだったかな? まあ、いいや。
ロンドンの下町に住む、ハリスおばさん。60歳近くになった今でも、かよい女中として、毎日働いている。ある日、お得意さんの家で出会った、クリスチャン・ディオールの美しいドレス。ハリスおばさんは、この美しいディオールのドレスを、自分でも手に入れたくなった。つつましやかに暮らしてきたハリスおばさんは、ディオールの高価なドレスを手に入れることができるのか。そして、ハリスおばさんの得た、ドレスよりすてきなものとは……。
明るく、常に前向きなハリスおばさんの生き方に励まされるとともに、本当に大切なものとは何かを教えてくれる一冊。
ところで、ハリスおばさんの物語だが、実はシリーズ化されており、この『ハリスおばさんパリへ行く』のほかにも、『ハリスおばさんニューヨークへ行く』『ハリスおばさん国会へ行く』『ハリスおばさんモスクワへ行く』と、あと3作品もあるらしい。全然知らなかった。今度、図書館にでも行って探してみようかな。
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