きくち正太の『おせん』の第15巻を買った。ずっと買い続けていた某究極のグルメコミックが90巻弱までたまった頃、そのすべてを売り払って代わりに読みはじめた、お気に入り。
舞台となるのは東京の下町、知る人ぞ知る食の老舗「一升庵」。一升庵の看板女将「おせん」こと半田仙は、一升庵の暖簾に咲いた大輪の華。おせんの言葉、立ち居振る舞い、思想。日本人が忘れかけている何か、失われつつある和の心がそこにはある。そんなおせんと、周りの人々との心温まる人情物語。
タイトルにもなっている主人公の名前「おせん」。これは、鈴木春信の浮世絵などでも有名な、江戸一番の美人と評判になった、江戸谷中の笠森稲荷門前の水茶屋「鍵屋」の看板娘「笠森お仙」から来ているそうだ。また、この作品の絵も浮世絵のような艶っぽいタッチとなっている。独特の絵は人により見づらいと感じるかもしれないが、私は読み進めていくうちに、その内容にすっかりとはまってしまった。
そんな『おせん』がテレビドラマ化され、4月22日より日本テレビ系列で放送がスタートする。主人公の「おせん」を演じるのは蒼井優。なんというか、どんな感じになるのか想像もつかないが、とりあえず最初は見ておこうと思う。
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