以前から読んでみたいと思っていたが、そのまま買うのを忘れてしまっていた、幻冬舎の単行本『わたしのマトカ』。近所の書店で見かけたので入手。
女優の片桐はいりが、映画『かもめ食堂』の撮影で1か月間フィンランドに滞在していた時の出来事を中心に、「旅」にまつわるあれこれを綴った初めての書き下ろしエッセイ。
映像の中で観る彼女の楽しい演技と同じく、文章の方も独特の内容とテンポでとても楽しい。旅先で出会う人や場所を、独特のセンスで感じ、体験する。自分でこういう旅ができればと思うと同時に、彼女の行動力には本当に感心する。うらやましい限りだ。
小説ではなくエッセイなので、映画の『かもめ食堂』の中に流れる時間のように、のんびりと、少しずつ時間をかけて読むことができた。彼女は、このエッセイの後に『グアテマラの弟』という、同じく「旅」を題材にしたエッセイを出しているそうなので、そちらの方も読んでみようかな。
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