
富山県水墨美術館で開催されている「いわさきちひろ展 ―色のある水墨画―」。かなりの盛況で混雑していると聞いていたのでしばらく控えていたが、もうそろそろ終盤で人出も落ち着いたかなと思い鑑賞してくる事に。しかし思惑は外れ、駐車場は一杯。会場内も販売コーナーも人で一杯。かなりの人気だね。
初期から晩年にいたるまでの代表的な水彩画、スケッチ、素描、油絵など色々な作品が展示されていた。いわさきちひろは水彩画に伝統的な水墨画の技法を生かして独自の画風を生み出していたが、同じような技法が使われた横山大観などの水墨画が併陳され、技法の面からもいわさきちひろ作品の魅力を楽しむ事ができるようになっていた。最初はどうして水墨美術館でいわさきちひろ展なのだろうと思っていたが面白い切り口だ。
本の挿し絵やポストカード、カレンダーなど様々な所でいわさきちひろの絵を見かけることはあるが、今回始めて見る絵もたくさんあった。代名詞ともいえる子供たちの絵は透明感あふれる色彩でやさしい雰囲気につつまれているが、まるで見る者に何かを訴えかけているようだ。そんな作品たちに触れ、少し幸せな気分になれ、少し考えさせられる時間だった。
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