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ミス・ポター

世界で一番愛されているウサギ「ピーター・ラビット」。その生みの親である、ビアトリクス・ポターの半生を描いた映画『ミス・ポター』。史実とは違う部分もあるらしいが、おおむね実話。主演はレニー・ゼルウィガー。

時は1902年、ロンドン。まだヴィクトリア朝の封建的な空気が漂っている。上流階級の女性が仕事を持つことなどあり得なかったこの時代に、アーティストとして生きようとした一人の女性がいた。

ストーリーには、あまり大きな盛り上がりがない。多少のいざこざはあるが、緩やかに時が過ぎていく。平坦なストーリーといえばそれまでだが、中盤以降に出てくる、イングランドの北西部、湖水地方の壮大な風景と相まって、穏やかな映画に仕上がっていると思う。ひょっこりと出てくるピーター・ラビットたちと、ポターとのやりとりも楽しい。

撮影の舞台となったのは、ポターがその美しい景観を守るために購入して暮らし、没後は遺言でナショナル・トラストに寄付した地方だそうだ。ピーター・ラビットの物語の舞台として知られ、今でも世界中から観光客が訪れているらしい。できれば、その美しい映像とともに、湖水地方で自然を守りながら暮らす、ポター晩年の話をもっと観たかった。

ミラクルバナナ

西半球の最貧国といわれるハイチ共和国。そんなハイチ共和国に、大使館の派遣員として赴任した三島幸子。ハイチのことをほとんど知らなかった彼女にとって、その現状すべてがカルチャーショックだった。

ある日、偶然バナナの木から紙ができることを知る。こんな貧しい国でさえ捨てられているバナナの木から、紙を作ることができれば何かが変わるかも! そう直感した彼女は、バナナの紙をつくるプロジェクトを立ち上げる。

名古屋市立大学の森島教授がリーダーを努めている、実際のプロジェクトをモチーフにした映画『ミラクルバナナ』。劇場公開時は、結局地元で公開されずに観られなかった映画。やっとDVD化となり観ることが出来た。

内容は全編を通して明るい。貧困という問題を扱っているが、主人公の幸子やハイチの人々の明るさが伝わってくる。緒形拳扮する和紙職人が、ハイチの街中を見て「まるで戦後の闇市だ」と言っていた。それはきっと、風景ではなくハイチの人々の「生きるための明るい強さ」を見ての言葉だろう。

「日本の交通事故の死者は年に1万人くらい、それに自殺する人は3万人以上いるかな」「3万人? 自殺なんてこの国にはほとんどないよ。日本は何でもある豊かな国なのになぜ?」。幸子と同僚のフィリップが交わす会話だ。

日本人が忘れてしまった大切な何かが残っているハイチ。そんなハイチで、バナナ・ペーパー・プロジェクトによって、日本では衰退しつつある手漉き和紙という文化が受け継がれようとしている。日本人が失ってしまったものとは? そして取り戻さなくてはいけないものとは? そんな事を考えさせてくれる、素晴らしい映画だった。

オーシャンズ13

ダニエル・オーシャンをはじめとする個性豊かなプロフェッショナルが集まった、史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」。奴らが、ベガスに帰ってくる! 人気シリーズの第3作目『オーシャンズ13』を観てきた。

出演はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンといった、お馴染みの面々。ジュリア・ロバーツとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが出演していなかったのは少し残念。しかし、今回の敵役には名優アル・パチーノが。

単純で痛快だった第1作目の『オーシャンズ11』。なんだかグチャグチャになって分かりにくかった第2作目の『オーシャンズ12』。このまま落ちていくのかと思ったが、今作は第1作目のように、とにかくシンプルで分かりやすい。

内容がシンプル過ぎる場合、退屈でつまらなくなる可能性もある。しかし、『オーシャンズ13』は、そのシンプルな内容ゆえ、あの豪華な俳優陣の悪ふざけを、何も考えずに楽しめるという作品なのだろう。

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