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バーバー吉野

その町は、どこにでもあるような、普通の田舎町だった。ただひとつ、その町の少年すべてが、「吉野刈り」というマッシュルームカットにしていることを除いては……。

『バーバー吉野』は、2003年に発表された映画で、荻上直子監督の、長編初監督作品。主演には、もたいまさこ。二人のコンビは、この『バーバー吉野』から、『恋は五・七・五!』、『かもめ食堂』、『めがね』へと続いている。

なかなか観る機会がなかったのだが、先日、やっとDVDで観ることができた。

床屋のおばちゃん役を演じるもたいまさこは、あいかわらずの好演。そして、町の少年たちの演技も、素朴で、この作品のテイストにとてもあっている。

その少年たちが、「吉野刈り」という、100年以上も続く町の伝統に反旗を翻し、プチ家出をするところからの流れは、あの名作『スタンド・バイ・ミー』を彷彿させるというのは、少し大袈裟だろうか。

純真だった少年時代。ささやかな反抗心。初恋。すこしづつ昇ってゆく大人の階段。そんな時代を思い出し、ちょっぴり、こっぱずかしい気持ちにさせてくれる作品。

ところで、先日、荻上直子監督の最新作『トイレット』が発表された。今夏の公開を予定しているらしく、すべてカナダのトロントで撮影されたとか。そして、唯一の日本人キャストとして、今回も、もたいまさこが出演するそうだ。これは期待できるかな?

アバター

今年最初の映画に、ジェームズ・キャメロン監督が、12年ぶりに発表した映画『アバター』を観てきた。

なんというか、いきなり最初に見た映画で、今年のベストスリー候補に当たった感じ。約3時間という長い映画だったが、あっという間で、ほんと大満足。

舞台となる、地球からはるか彼方にある衛星パンドラの、幻想的で美しい映像は、「観るのではない。そこにいるのだ。」というキャッチコピーがぴったり。映像というより、世界そのものを創造したような、刺激的で圧倒的な雰囲気に、最初から最後まで、アバターという世界に引き込まれていた。

この映画は3D版で観るほうがいい、という話を聞いていたので、はるか昔、東京ディズニーランドで観た、マイケル・ジャクソンの『キャプテンEO』以来となる、3D映画を体験した。で、字幕が読みにくそうな気がしたので、普段と違い、日本語吹き替え版で鑑賞。最近の3Dは、何でも飛び出してくるというより、奥行き感が感じられる、自然な立体感が体感できるようになっているんだね。

でも、やっぱりプラス300円は高い気がするし、字幕版とかでも観たいし、眼鏡をかけていると、その上から3D眼鏡をかけると違和感もあるので、普通のほうでいいかな。

プール

桜沢エリカが原作、小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮が出演の映画『プール』を観てきた。

舞台は、タイの古都チェンマイ。郊外の、小さなプールのあるゲストハウス。そこに集まった、5人の6日間の物語。

小林聡美、もたいまさこが出演とくれば、大好きな映画の『かもめ食堂』『めがね』から続く第3弾という感じ。加瀬亮も、『めがね』に続いての出演だしね。ずっと楽しみにしていた映画が、やっと地元で公開した。できれば、もうすこし暖かい時期に観たかったかな。

今作の『プール』は、『かもめ食堂』『めがね』と監督・脚本が違うためか、前の2作と比べ、少し毛色が違う感じがした。それでも、映像全体から感じられる、彩度を少し落とした色合いのような、優しく癒される雰囲気は変わらない。

小林聡美が演じる京子の娘、さよ役の新人、伽奈の演技が、初々しいというか、たどたどしいというか……。4年ぶりに会う母親の、見知らぬ人たちと楽しそうに暮らす姿に戸惑う娘、という感じが、とても良く表現されていたと思う。

そして、劇中に出てきた、小林聡美がギターを弾きながら、プールサイドで歌う「君の好きな花」という歌。なんと、本人の作詞作曲らしいが、のんびりとして、この作品にピッタリな曲。こんな才能もあるんだねぇ。

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