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パフューム ある人殺しの物語

パトリック・ジュースキント原作の映画『パフューム ある人殺しの物語』。スピルバーグやスコセッシといった巨匠たちが映画化を熱望するも叶わず、結局監督の座を射止めたのはトム・ティクヴァ。すみません、知らない監督です。しかしドイツやアメリカなどでかなり評判が良く、トレーラーを見ても面白そうだったので観に行く事に。

何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける、驚異の嗅覚を持って生まれた主人公グルヌイユ。社会の最下層から這い上がり、パリの香水調合師バルディーニに弟子入りして香水の作り方を学んだ後、もっと高度な技術を求め職人の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き至高の香水を創りたいと願っていた。グルヌイユが追い求める至高の香水とは? そして、禁断の香水創りに着手するグルヌイユは……。

この映画は様々な匂い、香りが表現されている。目に見えないものを映像で表現するというのは難しい事だが、その難題も、音、音楽、会話、映像など様々なファクターを用いてクリアされている。そして、観る側がほんの少し想像力をふくらませる事で、その映像はよりいっそう際立ってくるだろう。猥雑な映像と匂い。美しく官能的な映像と香り。光と影。対極にありながら表裏一体であるもの。まさに「パフューム」の世界が見事に描かれた映画だった。

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

ホイチョイ・プロダクションズ原作の『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』を観てきた。ホイチョイといえば『私をスキーに連れてって』『彼女が水着にきがえたら』など、まさにバブル全盛の時代にヒット作を生み出してきたプロダクション。そのホイチョイが、バブルの時代へタイムスリップというネタで新作を公開。

財務省は偶然タイムマシンを発明した研究者を1990年へ送り込んだ。目的はバブル崩壊の引き金となった大蔵省通達を阻止するため。だが、送り込んだ研究者からの連絡が途絶えたために計画は頓挫する。しかし、研究者に娘がいる事が分かり今度はその娘に白羽の矢が立った。まあ、ここまではありがちな設定だがある意味王道といったところか。意を決し、母親の救出と日本の歴史を変えるという重大な任務を背負って乗り込むタイムマシンは、何故かドラム式洗濯機……。何故か? それはこの映画が日立製作所とのタイアップだから。いや、もうなんだかバカらしくって面白い。

娘役の広末涼子がバブル全盛の時代に乗り込んでからの映像は、とにかく懐かしくて楽しい。ディスコにユーロビート、ボーイズ・タウン・ギャング、リンドバーグにプリプリ。紺ブレ、ワンレン、ボディコン。ティラミスにサントリージアス。資生堂の今井美樹や鉄骨娘のCF。他にも、当時を知る人には分かる細かいネタがあちこちにいっぱい仕込まれている。

あのメチャクチャな時代を反省しているわけでもなく、揶揄するでもなく、とにかく難しい事は考えずに「バブルって、サイコー!」と楽しんでしまおうと作られたのがこの映画だと思う。ある意味バブル的思想かな。まあ、その割り切り方がこの映画の良さなのかもしれない。とにかく、この時代が懐かしいと感じる世代にはお勧めの映画だろう。

リトル・ミス・サンシャイン

やっと地元で公開された『リトル・ミス・サンシャイン』を観てきた。先月は1本も劇場で観なかったので、これが今年最初に劇場で観た映画となる。そして、その初っぱなの映画が大当たり。これはなかなか幸先がいい。

アリゾナに住むあるフーヴァー家は、家族それぞれが問題を抱えバラバラな状態。そんな家族の娘オリーヴが「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストに繰り上げで参加する事となる。オンボロのVWミニバスに乗り、家族総出で会場のあるカリフォルニアに向けて出発するが、旅の途中では家族に次々とトラブルが。おまけにオンボロのVWミニバスまでもが故障し始める。しかし、オリーヴの夢「リトル・ミス・サンシャイン」のため、バラバラだった家族が一つになっていく。

自分が開発したプログラムで人間を「勝ち組」と「負け組」にわけ、独自の成功論を説く父リチャード。この映画の中で「勝ち組」と「負け組」という言葉が何度も出てくる。何をもって「勝ち組」と「負け組」なのか。絶対に勝つ事が成功となるのか。勝ち負けにこだわっては得られない大事なモノもあるのではないか。そんな現代社会へのアンチテーゼを感じ取る事が出来る作品。

何かを考えさせられ、感動させられ、そして随所にちりばめられた少しブラックなユーモアがアクセントとなり、とてもバランスがよく、面白い映画だと思う。

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