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あの虹に、ティー・ショット

喜多嶋隆の新刊、『あの虹に、ティー・ショット』が光文社文庫より。タイトルからも分かるが、ゴルフを題材にしたモノ。

舞台はハワイ。16歳の日系5世の少女が、たった3本のクラブで大会に挑み、旋風を巻き起こすというストーリー。ゴルフは打ちっ放ししかやったことはないのだが、とても面白く読むことができた。

以前、角川文庫から出ていたポニー・テール・シリーズと同じような雰囲気で、何だか懐かしい感じ。あのシリーズも結構好きなんだよね。この『あの虹に、ティー・ショット』も、今後はシリーズモノとして続くのかな? 読み終わった後は、表紙の真っ青な空のように、晴れやかな気持ちになる小説だった。

疾れ!逆ハンぐれん隊

クローゼットの奥から、捨てられずにそのまま仕舞い込んでいた懐かしい文庫本が何冊も出てきた。その中で、あまりの懐かしさにまた読み返しているのが、五木寛之の『疾れ!逆ハンぐれん隊』と、そのシリーズ七冊。

五木寛之といえば、長編の『青春の門』や、最近では仏教関係の本をいろいろ出すなど、少しお堅いイメージがあるが、昔よく読んでいたのは、『雨の日には車をみがいて』や『メルセデスの伝説』といった車を題材にした作品だ。特に『雨の日には車をみがいて』は結構好きで、何度も繰り返して読んだ記憶がある。しかし、五木寛之の本で、今、手元に残っているのは、なぜか『疾れ!逆ハンぐれん隊』シリーズだけ。これは、バブル景気の少し前ぐらいから真っ只中にかけて、車雑誌の『ベストカー』に連載されていたモノ。当時『ハートカクテル』が流行った、わたせせいぞうのカバー装画というのも、時代背景にピッタリだ。

世界的に有名な漫画家で車コレクターのバンドー先生と、世界一シャンプーのうまいミハル。世界一車を愛しているジローと、元キックボクサーで政府の特送班も務めたほどの凄腕ドライバーの竜。そんな四人が、ヨコハマ・エキスプレスこと逆ハンぐれん隊として、裏の運び屋稼業を始め、さまざまなトラブルに合いながらも、痛快に切り抜けていくという、かなり軽いノリでむちゃくちゃな冒険サスペンス。しかし、そのむちゃくちゃさが、今読んでも面白い。

そういえば、このシリーズの影響で、当時はメルセデス・ベンツのゲレンデ・ヴァーゲンに憧れて、いつかは買ってやると思っていたんだっけ。いろいろな意味で、若かったんだなぁ。

サイドシートに君がいた

角川書店より喜多嶋隆の新刊『サイドシートに君がいた』。今作は、五つの物語からなる短編集。

ロサンゼルス、富良野、ニューヨーク、芦ノ湖、鎌倉。それぞれの場所を舞台にした五つの愛の物語。それぞれの物語には、ビートルやミニといった名車たちが登場する。そして、その名車たちはあくまでも脇役として何も語らないが、さりげなく物語にかかわっている。その存在はまさに助演賞モノ。

今回は短編集なので、少しずつ、じっくりと読むつもりだったのだが、スターバックスでキャラメルマキアートを飲みながらまったりとしつつ、ついつい最後まで読んでしまった。しかし、それは小気味よいリズムの文体で一気に読んでしまったのではない。それぞれの物語に漂う澄んだ雰囲気に、時間を忘れて最後まで読んでしまったという感じだ。まったりとした昼下がりにオススメの一冊。

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