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一匹の茶トラが、僕らを出会わせてくれた……。猫によって、ゆっくりと癒され、結びついていく、孤独な人々の心と心……。静かな救済の物語——。猫を愛するように、もっと素直に人を愛せないんだろう?

喜多嶋隆『キャット・シッターの君に。』(角川書店、2006年)、帯

キャット・シッターの君に。

喜多嶋隆の新刊『キャット・シッターの君に。』が角川書店よりハードカバーの単行本で。作者が公式サイトで「猫が好きで、いまも3匹の猫と暮している僕が、ぜひ、世の中に送り出したかった小説。」とコメントしているとおり、内容からは猫への愛情がひしひしと感じられる。

前回の単行本『水恋 SUIREN』とは違い、希望にあふれた爽やかなラストがいいね。いつもの爽快感のある喜多嶋節とも違うし、最近のハードカバーシリーズのような重い感じでもない。表紙の淡いバックに猫が気持ちよさそうに寝ているイメージが小説の雰囲気そのままかな。猫と猫を愛する人たちのいろいろなドラマが展開し、登場人物たちが猫に癒され、読み手も猫に癒される。そんな小説。

喜多嶋隆といえば、先週あたり何かの番組に早見優が出ていて、デビュー前のペンタックスMGのCFが紹介されていたけれど、あれって喜多嶋隆がCFディレクターをやっていた頃の作品だよね。CFギャングシリーズの流葉爽太郎が作るCFそのままという感じで、キャッチコピーは「君が大人になる頃、僕はプロになっているかもしれない……」。懐かしいな。

ロス・アンゼルス。午前3時過ぎ。ロデオ通り。一軒のブティックのショー・ウインドウの中、一心にディスプレイをする日本人らしき女性がいる。その真剣な横顔が、流葉爽太郎の心に焼き付いた……。広告主は全米最大の製薬会社。ロスに飛んだ爽太郎を待っていたのは、仕事に夢と誇りを持つ3人の女性との出逢いだった。

喜多嶋隆『ビバリー・ヒルズで朝帰り』(光文社、2006年)、カバー

ビバリー・ヒルズで朝帰り

光文社文庫より喜多嶋隆の新刊『ビバリー・ヒルズで朝帰り』。喜多嶋隆の作品の中でも人気の高いCFギャング・シリーズ最新刊。ハードカバーの単行本が続いたが、久しぶりの文庫本。

毎日のワールドカップ観戦で忙しい中、しっかりと新刊チェックをして、あっという間に読破。やっぱりこのシリーズはいいね。今回の登場する3人の女性。20代、30代、40代の「いい女」。年齢に関係なく、それぞれが輝いている。頑張らなきゃ、という気にさせられた一冊だった。

水恋 SUIREN

角川書店より喜多嶋隆の新刊『水恋 SUIREN』。昨年から続く3冊目となるハードカバーの単行本。シリーズ化? こちらはいつもの文庫本とは違い、静かに、ゆっくりと、そして深く、重い雰囲気。

最後はもう何といっていいのか、泣きました。切ないね。ちょっとヘビー。まあ、こういうのも嫌いではなかったのだが。最近は歳のせいか、小説でも映画でも爽快なハッピーエンドモノでないと気分的にきつくなってきているので、そろそろいつもの爽快感のある喜多嶋ワールドを楽しみたい。

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