
角川書店より喜多嶋隆の新刊『ふたりでKIKIを聴いていた』。
3本の書き下ろし短編と、アロハ航空の日本語機内誌『スピリット・オブ・アロハ』、ハワイ専門誌の『アロハエクスプレス』、海とボートの雑誌『パーフェクトボート』などに掲載された、いろいろな短編が1冊に。
収録されている短編は、すべてハワイが舞台になっている。また、作者の実体験がもとになったストーリーも多く掲載されており、ハワイ好きとして知られる作者が、ハワイという土地と、そこで生活する人々をどんなに愛しているかを、とても強く感じ取れる1冊だ。
そんな、ハワイ・フリーク作家の喜多嶋隆が、約20年前に出した、ハワイでのコンドミディアム滞在記『喜多嶋隆のALOHA BOOK』。その最新版が、「喜多嶋隆のMy Hawaii My Room 〜今年もハワイに帰ってきた〜」として、インターネット上で展開するらしい。10月より本格オープンということなので、楽しみに待っていよう。
- 2008-06-01
- Review
- 喜多嶋隆, 小説, 本

喜多嶋隆の新刊、『あの虹に、ティー・ショット』が光文社文庫より。タイトルからも分かるが、ゴルフを題材にしたモノ。
舞台はハワイ。16歳の日系五世の少女が、たった三本のクラブで大会に挑み、旋風を巻き起こすというストーリー。ゴルフは打ちっ放ししかやったことはないのだが、とても面白く読むことができた。
以前、角川文庫から出ていたポニー・テール・シリーズと同じような雰囲気で、何だか懐かしい感じ。あのシリーズも結構好きなんだよね。この『あの虹に、ティー・ショット』も、今後はシリーズモノとして続くのかな? 読み終わった後は、表紙の真っ青な空のように、晴れやかな気持ちになる小説だった。
- 2008-03-10
- Review
- 喜多嶋隆, 小説, 本

角川書店より喜多嶋隆の新刊『サイドシートに君がいた』。今作は、5つの物語からなる短編集。
ロサンゼルス、富良野、ニューヨーク、芦ノ湖、鎌倉。それぞれの場所を舞台にした5つの愛の物語。それぞれの物語には、ビートルやミニといった名車たちが登場する。そして、その名車たちはあくまでも脇役として何も語らないが、さりげなく物語にかかわっている。その存在はまさに助演賞モノ。
今回は短編集なので、少しずつ、じっくりと読むつもりだったのだが、スターバックスでキャラメルマキアートを飲みながらまったりとしつつ、ついつい最後まで読んでしまった。しかし、それは小気味よいリズムの文体で一気に読んでしまったのではない。それぞれの物語に漂う澄んだ雰囲気に、時間を忘れて最後まで読んでしまったという感じだ。まったりとした昼下がりにオススメの一冊。
- 2007-09-01
- Review
- 喜多嶋隆, 小説, 本
「ハワイの本当の良さをアピールするCFを作ってほしい」。流葉爽太郎のもとに州知事からの依頼が飛び込んだ。観光PRではなく、現地の人々の誇りになるようなCF——爽太郎の出した答えは意外なものだった。現地に飛んだ流葉は1人のロコ・ガールをスカウトする。希望、挫折、そして再起へ……。さまざまな人々の想いをのせて、いまキャンペーンは走り始める!

喜多嶋隆の新刊、CFギャング・シリーズ『君を探してノース・ショア』が光文社文庫より。初期に8作。そして、復活してからは第9作目となるロングランシリーズ。帯に書かれている「シリーズ最高傑作」の文字どおり、このシリーズらしさの出た、とても良い作品だと思う。
復活してからも順調に刊行されているCFギャング・シリーズだが、今回の作品で初期に刊行されていた数を抜いた。まだまだ続きそうだし、是非続いて欲しい作品だ。
同じ光文社文庫から刊行されていたモノでライカ・シリーズがある。2作しか刊行されていないので、シリーズと呼べるかどうかは分からないが、こちらの復活も是非期待したい。2作しか刊行されていないということは、あまり人気がなかったのだろうか? 結構好きな作品なので、頻繁なシリーズ化ではなくても、また続きが読みたいものだ。
- 2007-08-07
- Review
- 喜多嶋隆, 小説, 本

角川書店より喜多嶋隆の新刊『On The Beach』。角川書店からはここ数年、単行本ばかりだったので、久しぶりとなる新作文庫本。そして、これまた久しぶりとなる短編集だ。
湘南、ハワイ、ロス……。『On The Beach』というタイトルどおりの、海辺を舞台にした5つの短編は、どれもがサラリとしたタッチで書かれ、フワリと夏の潮風を感じることが出来る。そして、のんびりとリラックスした時間と、ほんの少しの勇気もわけてもらえる作品だ。
最近の喜多嶋作品には「爽快感」が足りないと言う人もいる。海の上を船で走っている時に受ける風。海岸線のサイクリングロードを自転車で走っている時に受ける風。確かに昔からの喜多嶋作品では、そういう爽快な風を感じる事が出来た。
しかし、最近の作品では、海辺のテラスで本を読んでいる時に感じるフワリとした風。雨上がりに、ビーチを散歩している時に頬に感じる澄んだ風。そういう優しい風を感じる事も多い。
爽快な風と優しい風。確かにまったく違う風だが、どちらの風でも、私には喜多嶋作品らしいと感じる事が出来る。何故なら、そこにはいつも共通の「潮風」というフレーバーが添えられているのだから。