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用意された地図を捨て、新しい世界への第一歩を踏みだす4人のヒロイン! 舞台は長野、ハワイ、湘南、ロス。進路や恋、仕事など人生最大のターニングポイントの先に待つのは成功か、失敗か? 幸せか、ほろ苦さか……。それぞれの迷いや不安と闘いながら、勇気をもって自分らしい道を選び取っていく女性たちの輝きを描き出す。向かい風に負けずに前を向いて人生を進んでいく全ての人にエールを送る極上の青春小説集!

喜多嶋隆『地図を捨てた彼女たち』(角川書店、2012年)、カバー

地図を捨てた彼女たち

喜多嶋隆の新刊、『地図を捨てた彼女たち』が角川文庫より。

生き方を選択するための地図を見ながら歩んでいけば、失敗の少ない人生を送れる。しかし、今作に登場する4人のヒロインたちは、その地図を捨て、自らの意思で歩み続ける決心をした。

その先がどんな道なのか、そこに何が待っているのか、誰にもわからない。しかし、勇気を持って、自らの意思でその道を選べば、たとえ困難な道でも、もし何かを得られるならば、それはきっと、地図にある用意された安全な道を進んだよりも、大きな喜びが得られるだろう。

人は皆臆病だ。常に安全な道がないかを探してしまう。その先の道がどうなっているのか、地図に出ているならば、それに頼ってしまう。しかし、ちょっとした分かれ道に差しかかった時、今作のヒロインたちのように、自らの意思で、自分らしい選択をしてみれば、もしかすると何かが変わるのかも。そんな勇気が欲しいなぁ。

ところで、今作のカバー表紙デザインだが、タイトルが縦書きになっているね。いままで、喜多嶋隆の光文社文庫のモノでは縦書きタイトルが何度かあったけれど、角川文庫のモノでは初めてかも。ずっと横書きだったので、ちょっと変わった感じ。

数々の賞を射止めた若き女性広告ディレクター・中川凛。ある事情から広告業界に嫌気がさし、東京を脱出。葉山でヨット暮らしを送っていた。クルージングと読書、そして海に抱かれて眠る日々……。そこに新たな仕事の依頼が飛び込む。気乗りのしない彼女だったが、ある少女との出会いが、心の奥に眠る想いに火をつけた――。海風のように爽やかな、大人のための青春小説。

喜多嶋隆『きみがハイヒールをぬいだ日』(光文社、2011年)、カバー

きみがハイヒールをぬいだ日

喜多嶋隆の新刊、『きみがハイヒールをぬいだ日』が光文社文庫より。

今作の主人公、中川凛は、クリエイティブディレクター件コピーライター。以前にも、コピーライターが主人公の探偵モノシリーズがあったが、それよりも作品づくり寄りな物語になっている。

同じ業界の片隅にいるものとして、今ではまずあり得ないだろうなと思ってしまうストーリーだが、ものすごくあこがれるストーリーでもある。ほんと、喜多嶋作品によく出てくるような、理解あるクライアントに巡り合いたいものだ。もちろん、理解があるだけではなく、要求されるレベルも高いので、こちらがわも、それに見合ったアイデアを出さなくてはならないのだろうが。

コピーライターという仕事を、ちょっと休んでいる主人公。その生き方は、今までの喜多嶋作品の主人公たちと同じように、自分の人生を、自分の思い通りに生きている。しかし、その歩みは、少しのんびりと歩んでいるような感じだ。

気負わず、のんびりと、自分らしく。そんな中川凛の、今後の物語もぜひ読みたいと思う。シリーズ化されればいいな。

プロのミュージシャンを目指す高校3年の僕、水町涼は七里ケ浜のスタジオで悠子と出会った。ピアニストとして将来を期待される音大生のお嬢。その大人っぽさと時に見せる少女のような無邪気さに僕は恋に落ちた――。孤独な過去を持つ僕と将来に迷いを抱える彼女は、音楽を通じて心を通わせてゆく。だが生きてきた境遇が違いすぎる二人の前には、やがて壁が立ちはだかり……。人生のほろ苦さと青春のきらめきを描く傑作恋愛長編。

喜多嶋隆『ラブソングが歌えない』(角川書店、2011年)、カバー

ラブソングが歌えない

喜多嶋隆の新刊、『ラブソングが歌えない』が角川文庫より。

新刊といっても発売は先月だけどね。ずっと忙しくて、馬車馬のように働いていたもので……。

今作は、バンドをやっている高校生の少年と、ピアニストの女子大生との、爽やかな恋愛小説だ。

喜多嶋作品で、音楽がモチーフの小説といえば、「Sing」シリーズや、古いのだと「ポニー・テール」シリーズや「カモメ物語」シリーズなんかがあるけれど、今作は、それらよりもラブストーリ色が強いかな。こういう音楽モノもいいね。

ところで、今作は、今までとちょっと趣向が違うところがある。実は、ファンクラブの会員のために、毎月テープかCDで配布されている、書き下ろしのショートストーリー「ココナッツ・クラブ」で以前発表された2作品がベースになっているのだ。

当初はココナッツ・クラブでの作品の続きなのかな? と思っていたが、プロットを変え、別の作品として仕上がっている。

ファンクラブの会員にとっては、読み終わった後に、ココナッツ・クラブを聞き返すことで、二度美味しいお得な作品だ。

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