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淀川長治の名画解説

映画を誰よりも愛し、独特の語りで私たちに映画の楽しさを教えてくれた〈映画の伝道師〉淀川長治。『日曜洋画劇場』の解説を32年にわたり務め上げ、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の台詞でも有名な方。

あの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」をもう一度……ということで、テレビ朝日の『日曜洋画劇場』の40周年を記念して企画されたDVD『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』が、昨年末に発売されていた。

内容は、番組スタッフによって厳選された50本の淀川長治究極の解説集。映画本編はまったく収録されていないが、淀川長治による映画解説が50作品分収められている。また、特典映像として、現存するいちばん古い録画と、亡くなる数日前に、病院からスタジオ入りして収録された最後の解説も収められている。

このDVDのことは「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載コンテンツ「淀川おじさん。」のおかげで知ることができた。懐かしい解説映像が観られて、あの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」が50回聞けるとなれば、これはもう買わずにいられない。すぐにネットで探して購入し、じっくりと鑑賞。

淀川長治の解説は、どんな映画でも何か良い所を見つけ、それを分かりやすく、楽しく伝えてくれていた。本当に映画が好きだったのだろう。そして、その解説を聞くと「この映画が観たい」という気持ちがふつふつと湧き上がってくる。そんな素敵な解説者が、今はもういなくなってしまったのは寂しいことだ。

ミラクルバナナ

西半球の最貧国といわれるハイチ共和国。そんなハイチ共和国に、大使館の派遣員として赴任した三島幸子。ハイチのことをほとんど知らなかった彼女にとって、その現状すべてがカルチャーショックだった。

ある日、偶然バナナの木から紙ができることを知る。こんな貧しい国でさえ捨てられているバナナの木から、紙を作ることができれば何かが変わるかも! そう直感した彼女は、バナナの紙をつくるプロジェクトを立ち上げる。

名古屋市立大学の森島教授がリーダーを努めている、実際のプロジェクトをモチーフにした映画『ミラクルバナナ』。劇場公開時は、結局地元で公開されずに観られなかった映画。やっとDVD化となり観ることが出来た。

内容は全編を通して明るい。貧困という問題を扱っているが、主人公の幸子やハイチの人々の明るさが伝わってくる。緒形拳扮する和紙職人が、ハイチの街中を見て「まるで戦後の闇市だ」と言っていた。それはきっと、風景ではなくハイチの人々の「生きるための明るい強さ」を見ての言葉だろう。

「日本の交通事故の死者は年に1万人くらい、それに自殺する人は3万人以上いるかな」「3万人? 自殺なんてこの国にはほとんどないよ。日本は何でもある豊かな国なのになぜ?」。幸子と同僚のフィリップが交わす会話だ。

日本人が忘れてしまった大切な何かが残っているハイチ。そんなハイチで、バナナ・ペーパー・プロジェクトによって、日本では衰退しつつある手漉き和紙という文化が受け継がれようとしている。日本人が失ってしまったものとは? そして取り戻さなくてはいけないものとは? そんな事を考えさせてくれる、素晴らしい映画だった。

赤ちゃんの逆襲

フレンチ・コメディの『赤ちゃんの逆襲』。建築家を目指すシモンは、学生時代に自分がデザインしたものとそっくりなミュージアムを見つける。建築会社へ乗り込み社長のポレルに抗議をするが冷たく追い返されてしまうシモン。おまけに警備員から逃げる途中、うっかりポレルの車にはねられてしまい死亡。しかも、なんとポレルの赤ちゃんとして生まれ変わってしまう。生まれ変わったシモンは、何とかポレルに恨みを晴らそうとするが……。

昨年日本でも公開され、面白そうな映画だなとは思っていたのだが、結局地元では公開されなかったのでそのまま。今回DVDがレンタル開始されていたのでやっと観ることが出来た。ほんとミニシアター系の映画って地方だとやらないんだよなぁ。

赤ちゃんが喋る映画といえば『ベイビー・トーク』など色々あるが、この『赤ちゃんの逆襲』は、恨みを持って生まれ変わった報復に燃える赤ちゃんという設定がブラックで面白い。子煩悩なポレルや嫁姑の対決など見所も色々。なかなか楽しめる映画だった。

生まれ変わった赤ちゃんといえば、とみさわ千夏の『てやんでいBaby』という漫画があった。あちらはヤクザが若い夫婦の赤ちゃんに生まれ変わってしまうという設定だが、とにかく笑いが止まらなくなる面白い漫画だった。連載が途中で終わってしまったのが残念で是非再開して欲しいモノだ。とりあえず棚から引っ張り出して、こちらの方も久しぶりに読んでみようと思う。

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