- 2008-01-25
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- かもめ食堂, エッセイ, 本
旅はきっと、これからも続くのだ。映画の撮影で1カ月滞在した、フィンランド。森と湖の美しい国で出会ったのは、薔薇色の頬をした、シャイだけど暖かい人たちだった——。笑えて、ジンとくる名エッセイ。

以前から読んでみたいと思っていたが、そのまま買うのを忘れてしまっていた、幻冬舎の単行本『わたしのマトカ』。近所の書店で見かけたので入手。
女優の片桐はいりが、映画『かもめ食堂』の撮影で1カ月間フィンランドに滞在していた時の出来事を中心に、「旅」にまつわるあれこれを綴った初めての書き下ろしエッセイ。
映像の中で観る彼女の楽しい演技と同じく、文章の方も独特の内容とテンポでとても楽しい。旅先で出会う人や場所を、独特のセンスで感じ、体験する。自分でこういう旅ができればと思うと同時に、彼女の行動力には本当に感心する。うらやましい限りだ。
小説ではなくエッセイなので、映画の『かもめ食堂』の中に流れる時間のように、のんびりと、少しずつ時間をかけて読むことができた。彼女は、このエッセイの後に『グアテマラの弟』という、同じく「旅」を題材にしたエッセイを出しているそうなので、そちらの方も読んでみようかな。

大好きな『かもめ食堂』と同じ、萩上直子監督の映画『めがね』を観てきた。小林聡美、もたいまさこが、『かもめ食堂』に続いて出演している。今回は南の海辺を舞台に、三人の女と二人の男の物語。今回もゆるやかな時間が流れている映画だ。
南の海辺へ目的も決めずに旅に出る。帰るのは飽きたら。そんな旅を一度でいいからしてみたい。無理なのは分かっているが、元来の怠けものなので、やはりそういう旅には憧れてしまう。そんな願望をこの映画はかなえてくれる。
マリンポーツをするのでもなく、観光をするのでもなく、ただ「たそがれる」。他にすることといったら、体操をするかご飯を食べる……。そんな登場人物たちとゆるやかな時間を過ごすうちに、映画館にいながら、こちらもすっかりとたそがれてしまい、とてもいい時間を過ごすことが出来た。
ところで、『かもめ食堂』と『めがね』の二つの映画。出てくる料理が本当に美味しそう! これらは、フードスタイリスト飯島奈美の手によるもので、「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載コンテンツ「かもめとめがねのおいしいごはん」にその一部が紹介されている。ごくありふれた料理なのだが、映画を観ていると本当におなかがすくんだよなぁ。
- 2007-02-12
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- CF, かもめ食堂, アド, テレビ

昨年映画が公開、そしてDVDも発売された『かもめ食堂』。この2月に入ってから、時々TVでその映画のワンシーンのような映像が流れている。
実はこれ、Pascoの食パン「超熟」のCF。以前からCFに出演していた小林聡美つながりという事で、映画『かもめ食堂』とのコラボレーションとなっているようだ。この組み合わせ、Good Job。
朝、市場で買い物をしているサチエさん。店に帰ってきて開店の準備。軽やかな音を立てて玉ねぎを切っている。鍋には美味しそうに煮えているミックスベリージャム。食パンにレタスやサーモン、玉ねぎなどをはさんでサンドイッチを作る。サクリと小気味よい音でサンドイッチを半分に。そしてラストは映画の中で何度も観たサチエさんの「いらっしゃい」というセリフと笑顔。15秒の中に『かもめ食堂』が詰め込まれ、商品の「超熟」もたまらなく美味しそうなCFになっている。
現在放送されているのは「春夏篇」。もうワンパターン「秋冬篇」も作られているという事でそちらも今から楽しみだ。
そういえば最近、幻冬舎より刊行されている原作の方の『かもめ食堂』の単行本を買って読んでみた。映画では描かれていない描写などもあり、こちらもなかなか面白い。読み終わると、映画の方もまた観たくなった。
- 2006-10-16
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- DVD, かもめ食堂, 映画

群ようこ書き下ろし原作、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ出演の映画『かもめ食堂』。映画公開前から楽しみにしていたのだが結局地元での上映はなく、DVDが発売になるということでAmazonで予約して購入。初回生産限定版で、特典ディスクの小林聡美ナレーションによるヘルシンキガイド「猫と歩くヘルシンキ」やフィンランドのイラストマップなど色々と付属。発売前の予約で安く買えたこともあり満足満足。
ヘルシンキの綺麗な景観。お洒落なインテリアや雑貨。おおらかでゆったりとした日常。フィンランドという国の一般的なイメージどおりに描かれた映像と淡々としたストーリー。小林聡美の一本芯の通ったしゃきしゃきとした演技に、片桐はいりの豊かな表情と存在感、もたいまさこの独特の間。特に大きな盛り上がりもないストーリーだが、この3人がいると不思議と引き込まれてしまう。「さあ、見るぞっ!」と気合いを入れて見る映画ではなく、のどかな休日にのんびりとコーヒーを飲みながら見る映画だね。
映画の中でサチエがやっている「かもめ食堂」。メニューは日本人のソウルフードであるおにぎり。具はもちろん定番の梅・鮭・おかか。そしてトンカツに生姜焼きに焼き鮭。オールフィンランドロケの映画なのに、見終わった後はそんな一般的な日本食が食べたくなった。