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サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ 大崎梢

「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」――若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に名乗りを上げた成風堂だが……。駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれるさまざまな謎に取り組んでいく。表題作を含む五編を収録した人気の本格書店ミステリ、シリーズ第三弾!

大崎梢『サイン会はいかが?』(東京創元社、2010年)、カバー

大崎梢の『サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ』の創元推理文庫版を読んだ。成風堂書店事件メモシリーズの第3弾。表紙買いをした、大崎梢のデビュー作『配達あかずきん』が面白かったので、同じシリーズの2作目『晩夏に捧ぐ』と今作も続けて購入。2作目は長編だったけれど、短編集の今作と1作目のほうが好み。

駅ビルにある書店、成風堂。そこに勤める書店員の杏子と、アルバイト店員の多絵が、書店を舞台にしたさまざまな謎を解き明かしていくというミステリ小説。ワトスン役が杏子でホームズ役が多絵といったところか。まあ、扱う事件はたいていが大きなモノでなく、書店の日常で起こるちょっと謎めいた出来事を、書店員コンビが解決していくといった感じ。

作者の大崎梢自身も、書店で10年以上働いていたらしい。書店業務の風景や書店員たちの心情などの描写が細かいのは、そうした実体験から来ているのだろうか。書店の裏側を垣間見ることができて、本屋好きとしても、なかなか面白い小説だった。

昔、本を買う時には、今作の舞台になっている成風堂のような中規模なところや、もっと小さな街の本屋さんだったけれど、最近は品揃えが豊富な大型書店でばかり。小さな街の本屋さんがどんどん消えているしね。しかし、ネット書店ならもっと便利なのに、それでも本屋に行ってしまうのは、雰囲気が好きというのもあるが、やはりブラブラしながら見知らぬ本との出会いを求めてというのもあるのだろう。

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