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恋を、29粒 喜多嶋隆

誰のもとにも、恋はふいにやってくる。学校や仕事場など日常の一場面で、またあるときは旅で訪れた異国の地で――。合宿先でのひと夏の出逢いがくれたもの。同じ夢を追いながら、道を違えた二人が再会したとき選ぶ道。愛を失いかけたとき、再びそれに気づかせてくれたもの……。湘南、ハワイなどを主な舞台に、様々な恋のきらめきと切なさを写しとった29編のショート・ストーリー。あなたのための恋、ここにあります。

喜多嶋隆『恋を、29粒』(KADOKAWA、2013年)、カバー

喜多嶋隆の新刊、『恋を、29粒』が角川文庫より。帯に書いてあるように、1話5分ほどで読める、29編のラブ・ストーリーを集めた短編集だ。

今作に収録されている29編の短編は、完全な新作というわけではなく、ファンクラブの会員向けに、毎月書かれていたショート・ストーリー「ココナッツ・クラブ」と、雑誌『アロハエクスプレス』に向けて書かれたモノのなかから選び出された作品が収められている。もちろんそのままではなく、ちょっと手が入っているそうだが。

ときめきや切なさ、甘酸っぱさやほろ苦さ。そんな、恋の瞬間を写し取ったショート・ストーリーたち。どれも、ほんとうに短い物語だが、身体の奥底から、少し照れ臭くなる気持ちがよみがえってくるようで、忘れていた何かを思い出させてくれる、そんな物語たちだ。

今回の短編集はいっきに読まずに、一日一本ぐらいのペースで、じっくりと堪能した。なんだか、小学生の頃に一日一粒食べていた、肝油みたい。本のタイトルが「29粒」だし。といっても、最近の人は肝油なんて知らないのだろう。

そういえば、「ブラディ・マリー」シリーズの話が一本入っていたのは、ちょっと珍しかったね。ファンクラブ向けの「ココナッツ・クラブ」では、今までの作品のアフター・ストーリーが時々あって、いつもそれを楽しみにしていた。でも、販売される本に収録されたというのは初めてかも。

今年の春に「ココナッツ・クラブ」が終わったのは残念だけれど、今作のように、短編集に入れるなどして、またアフター・ストーリーを読む機会があると嬉しいなぁ。

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